麻酔科
ペインクリニック内科

麻酔科
ペインクリニック内科
診療方針
当科では、手術麻酔及び痛みの治療としてペインクリニック外来を行っています。手術麻酔では、手術を受けられる患者さんにより安全に、また不安を軽減し安心して手術を受けていただけるよう心がけています。
麻酔科のドクターの紹介(非常勤含む)
麻酔科の実績

2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | |
---|---|---|---|---|---|---|
泌尿器科 | 700 | 684 | 828 | 940 | 1013 | 1008 |
産婦人科 | 528 | 507 | 495 | 408 | 518 | 513 |
外科 | 89 | 78 | 109 | 45 | 58 | 62 |
乳腺外科 | 84 | 100 | 111 | 115 | 123 | 88 |
形成外科 | 30 | 29 | 28 | 31 | 37 | 20 |
整形外科 | 361 | 423 | 530 | 543 | 557 | 648 |
脳神経外科 | 23 | 22 | 23 | 23 | 26 | 2 |
放射線科 | 63 | 59 | 73 | 50 | 28 | 13 |
循環器内科 | 22 | 46 | 47 | 27 | 5 | 14 |
眼科 | 22 | 8 | 4 | 0 | - | - |
総数 | 1,922 | 1,956 | 2,248 | 2,182 | 2,365 | 2,368 |
全身麻酔件数(再掲) | 1,100 | 1,107 | 1,295 | 1,236 | 1,348 | 1,280 |
外来担当表
ペインクリニック内科
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
---|---|---|---|---|---|---|
午前 | - | 小林 | - | - | 小林 | 石川 (第3) |
午後 | - | - | - | - | - | - |
ペインクリニック内科について
昔から、痛みは病院受診の動機付けの一つです
「痛い」「苦しい」「しんどい」「動かしにくい」よくある受診動機です。
どの症状も日常生活の障害となるものばかりです。
痛みだけがことさらに特別なものではありません。
痛み止めを処方するだけが痛みの治療ではありません
痛みは、何かの病気のサインかもしれません。
痛みの成り立ちを考えることなく痛みを消すとそのサインを覆い隠し、原因となる病気の発見が遅れるかもしれません。
痛みの発生機序と治療法の作用機序を考える
様々な原因から痛みは起こります。
様々な疾患が痛みを伴っています。
治療法は作用の仕方がそれぞれ異なっています。
ペインクリニックは痛みの成り立ちを考えながら痛みの治療を行う診療です
痛みを糸口に診療をすすめるのがペインクリニックです。
よくわからない痛みで悩まれている方は、当科受診をご検討ください。
また、そういった患者さんを診療している医師の方も、ご相談ください。
ペインクリニック内科のドクターの紹介(非常勤含む)
動注治療について(自費診療)
この治療はオクノクリニック(https://okuno-y-clinic.com/)の奥野祐次先生によって2014年に開発されたものです。当院はオクノクリニック(https://okuno-y-clinic.com/)とライセンス契約を結び、指導・アドバイスを受けて、動注治療を行なっております。
モヤモヤ血管と動注治療
慢性的に炎症が続く部位では、「モヤモヤ血管」が発生し、長く続く痛みの原因となっていることがわかってきました。この血管をターゲットにした治療法が「動注治療」です。
これまでであれば、神経ブロックやリハビリテーション、薬物治療が中心の疾患に対してこの新しい治療「動注治療」を提案できるかもしれません。


へバーデン結節(提供元:Okuno Clinic. 奥野 祐次医師)
動注治療の適用疾患
以下の疾患では局所炎症が慢性的に続くことで、「モヤモヤ血管」が発生していることが予想されます。
上肢:へバーデン結節、ブシャール結節、母指CM関節症、TFCC損傷、術後の痛みなど
下肢:足底腱膜炎、外反母趾、モートン病、アキレス腱炎、術後の痛みなど。
モヤモヤ血管があるかどうか調べるには
圧迫
痛い部位を圧迫してしばらくすると痛みが軽くなるなら、「モヤモヤ血管」が存在するかもしれません。痛い部位の圧迫することで「モヤモヤ血管」を流れる血流量が減ることとなり、痛みが軽くなった可能性があります。これは、患者さん自身でも確認できる簡便な方法です。
エコー
痛みの部位に「モヤモヤ血管」が存在すると、エコー検査で本来血流がないような部位で血流が生じていたり、通常よりも血流が増えていたりすることが観察されます。
MRI
「モヤモヤ血管」がある部位では、組織が張れて水っぽくなっていることが観察されます。また、血流を観察するダイナミックMRIを用いる方法もあります。
モヤモヤ血管に対する動注治療
注入イメージ(提供元:Okuno Clinic. 奥野 祐次医師)

手首や足首の動脈から点滴で用いる極めて細いチューブを用いて原因となるモヤモヤ血管を減らす薬液を注入します。治療自体は5~10分ほどで終了しますが、しばらく休んでから帰宅することになります。当日のシャワーや入浴は制限なく可能です。ほとんど副作用はありませんが、注射した部位に内出血や薬剤アレルギーがみられることがまれにあります。
動注治療に使用する薬剤
使用する薬剤は「イミペネム・シラスタチン」という薬剤で、20年以上前から「抗生物質(細菌を退治する薬)」として認可、使用されています。この薬は少量の水では溶けにくいという特徴があり、少量の液体と混ぜると小さな「粒子」が形成します。この粒子が「モヤモヤ血管」を詰まらせることで痛みの原因が消失させます。粒子は血液の流れの中で徐々に溶けていきますが、一度詰まった「モヤモヤ血管」は再開通することなく詰まったままとなります。これは、「モヤモヤ血管」が正常な血管とは異なり脆弱なため、一時的に詰めるだけで再開通せず壊死していくからです。一方で、正常な血管では血流が再開通するため、体の組織に与える影響は非常に低いものとなります。
治療の効果と副作用
効果は数日で感じられる場合もありますが、数週間から1-2か月かけて徐々に改善する場合もあります。症状の改善が不完全な場合は、2回目を行うことを考慮しますが、その場合、1か月以上は治療間隔をあけることとしています。
この治療法で先行するオクノクリニックでは、これまでに5000人以上の方がこの治療を受けていますが、現在までに重大な副作用報告はありません。
動注治療の流れ
診察
診察を希望される方は、電話連絡の上、お越しください。
すでにどちらかで診療を受けているのであれば、診療情報提供書をお持ちください。
モヤモヤ血管があるかどうかの判断をするために、痛くなった経緯や痛みの部位、症状の出方や性質などを詳しくお聞きします。
検査
必要に応じて、レントゲン、エコー、MRI検査、血液検査等を行います。
動注治療
初めて受診したその日に即、動注治療を行うことは基本的にありません。
モヤモヤ血管の存在が疑われる場合に、動注治療をお勧めしています。

治療にかかる料金
診察料
5,000円(税込価格:5,500円)
動注治療料金
上肢:(手関節以遠の疾患:へバーデン結節、ブシャール結節、CM関節症など)
片側 25,000円(税込価格:27,500円)
両側 35,000円(税込価格:38,500円)
上肢:(肘関節の疾患、テニス肘、ゴルフ肘など)
片側 30,000円(税込価格:33,000円)
両側 40,000円(税込価格:44,000円)
下肢:(足底腱膜炎、外反母趾、ランナー膝など)
片側 30,000円(税込価格:33,000円)
両側 40,000円(税込価格:44,000円)
肩こりへの動注治療*
*肩こりの動注治療で穿刺する血管の走行には個人差があります。
超音波検査で血管の走行を確認し、可能な方のみ対象となります。
片側 30,000円(税込価格:33,000円)
両側 40,000円(税込価格:44,000円)
動注治療症例(手部の痛み)
◆手部の痛み
プシャール結節の症例
49歳 女性
➣主訴:右手第二指PIP関節の痛み
➣1か月半前より疼痛出現。他院リウマチ科へ受診し、各種検査の結果、リウマチは否定された。当科での動注治療を知り受診。
➣来院時VAS 22/100(動作時VAS 56/100)
➣Quick DASH(上肢障害評価表)
・disability/symptom 34.1
・work 75
・sport/music してない

レントゲン・MRI

超音波検査
画像所見
➣外観上、第2指PIP関節の腫脹が目立つ。
➣レントゲン上、骨変形は目立たない。
➣MRI上、第2指PIP関節周囲の軟部組織が腫脹あり。明らかな骨傷(骨髄浮腫)無し。
➣造影MRI上、同部位に病的新生血管(モヤモヤ血管)が発達あり。
➣リウマチの関節超音波検査に準じてこのプシャール結節を評価すると、滑膜肥厚グレード0‐1、ドップラグレード2程度。
経過
➣右第2PIP関節の痛みと腫れが軽減され、それに伴い可動域制限も軽減した。
➣動注治療4週間後
・来院時VAS 10/100(動作時VAS 12/100)
・Quick DASH(上肢障害評価表)
・disability/symptom 2.3
・work 0
・sport/music してない
➣本症例は動注治療は1回のみで終了した。
動注治療症例(足底部の痛み)
◆足底部の痛み
右足底腱膜炎の症例
64歳 女性
➣主訴:右足底部の痛み
➣11か月前から右足底部に痛み有り
➣来院時VAS 5/100(動作時VAS 33/100)
➣足底部の踵骨前方に圧痛点有り

レントゲン・MRI

超音波検査
画像所見
➣外観上、明らかな異常無し。
➣レントゲン上、明らかな石灰化や骨棘無し。
➣MRI上、足底腱膜の踵骨付着部に浮腫あり。明らかな骨傷(骨髄浮腫)無し。
➣造影MRI上、同部位に病的新生血管が発達あり。
➣超音波検査では、足底腱膜踵骨付着部付近で最大5.8㎜の肥厚あり。繊維構造の不整・消失あり。エラストグラフィーで硬度上昇あり。血流ドップラで腱中央部に至る血流シグナルあり。
➣以上から、右足底腱膜炎と診断。
経過
➣動注治療を計2回施行した。
・動注治療1回目施行1週間後で足底部の痛みは軽減しているが、痛みの中心が移動した感あり。
・動注治療1回目施行4週間後で疼痛消失には至らないため、2回目を施行した。
・2回目施行1週間後には、朝起床して最初の一歩の際の痛みは消失したが、夕刻になると痛みが出てくる。
・その後徐々に軽快し、2回目施行4か月後には、疼痛消失した。
➣2回目施行4か月後 VAS 0/100(動作時VAS 0/100)
◆足底部の痛み
左側)足底腱膜炎
右側)踵部脂肪褥症候群(ヒールパッド症候群)の症例
68歳 女性
➣主訴:両側足底部の痛み
➣疼痛レベル
左足底部:来院時VAS 50/100 (動作時VAS 73/100)
右足底部:来院時VAS 50/100 (動作時VAS 73/100)
➣臨床所見
左足底部:踵骨前方に圧痛点有り
右足底部:踵骨中央部に圧痛点有り(踵骨前方には圧痛点なし)

レントゲン・MRI(左側)

レントゲン・MRI(右側)

超音波検査(左側)

超音波検査(右側)
画像所見
➣外観上、両側とも明らかな異常無し。
➣レントゲン上、両側とも明らかな石灰化や骨棘無し。
➣MRI(単純および造影)
左側:足底腱膜の踵骨付着部にて浮腫あり。明らかな骨傷(骨髄浮腫)無し。
造影にて踵骨付着部に病的新生血管(モヤモヤ血管)が発達あり。
足根洞周囲の関節間に液体貯留あり。足根洞内で血管増生あり。
右側:足底腱膜の踵骨付着部にて浮腫なし。明らかな骨傷(骨髄浮腫)無し。
造影にて踵部脂肪織内が広範囲に薄く描出される。(足底腱膜部には病的新生血管の発達なし)
➣超音波検査
左側:足底腱膜踵骨付着部付近で最大5.1㎜の肥厚あり。繊維構造の不整・消失あり。
血流ドップラで腱中央部に至る血流シグナルあり。
右側:足底腱膜の肥厚なし。繊維構造の不整・消失なし。
血流ドップラで腱中央部に至る血流シグナルなし。
➣以上から、左足底腱膜炎、右踵部脂肪褥症候群(ヒールパッド症候群)と診断した。
➣左足関節には痛みはないため、治療対象とせず。
経過
➣動注治療を計2回施行(右側1回、左側2回)
✔動注治療1回目施行1週間後で左側は軽減するも痛みは残存していたが、右側は痛みが消失。
✔動注治療1回目施行4週間後でも左側は疼痛消失には至らないため、左側のみ2回目を施行
✔2回目施行1週間後には、左側の痛みはさらに軽減し、右側の痛みは焼失したままを維持。
✔その後徐々に軽快し、2回目施行4週間には、両側ともに疼痛消失。
➣2回目施行4週間後 VAS 0/100(動作時VAS 0/100)
アクセス
所在地岡山県岡山市北区伊島北町6−3
