泌尿器科

外来担当表
泌尿器科
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | ||
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午前 | 1診 | 橋本 | 橋本 | 小林 | 橋本 | 橋本 | 担当医 |
2診 | 小林 | 森分 | 森分 | 小林 | 小林 | - | |
午後 | 1診 | - | 橋本 (第2・4) |
- | 小林 (第1・3) |
- | - |
2診 | - | 森分 (第1・3・5) |
- | - | - | - |
特徴
結石破砕治療、女性泌尿器疾患治療、悪性腫瘍の低侵襲治療を柱に診療しています
岡山中央病院 泌尿器科は、昭和26年の病院開設当時から診療を開始しており、現在も当院の看板診療科の一つを担っています。昭和62年8月に体外衝撃波による腎・尿管結石破砕治療(ESWL)機器を導入して以来、尿路結石の治療に力を注いできました。
導入初期には皆様に入院していただいていましたが、今では外来治療へ移行し、患者さんの症状に合わせて2種類の機器を使って治療しています。外来治療は、月曜~金曜の外来時間内受診であれば、治療が必要な方にはその日中に対応する体制をとっています。通常の破砕が困難な場合ではレーザーによる結石破砕装置を用い、入院で安全に手術を行っております。また尿もれや骨盤臓器脱など女性泌尿器診療にも力を入れている他、前立腺癌、膀胱癌をはじめとする悪性疾患、前立腺肥大症などの良性疾患など、幅広く積極的に診療をおこなっています。
主な対応疾患
1. 排尿障害:前立腺肥大症、過活動膀胱、腹圧性尿失禁、神経因性膀胱
2. 尿路性器感染症:膀胱炎、尿道炎、前立腺炎、腎盂腎炎、清掃上体炎、精巣炎、性行為感染症
3. 泌尿器科腫瘍:前立腺がん、膀胱がん、腎がん、尿管がん、精巣腫瘍、後腹膜腫瘍
4. 尿路結石症:腎結石、尿管結石、膀胱結石
5. 男性機能障害:勃起不全、男性更年期障害
6. 女性泌尿器疾患:尿漏れ、骨盤臓器脱

泌尿器科ドクターの紹介
実績

2018年度 | 2019年度 | ||
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結石関連手術 | ESWL(体外衝撃波結石破砕術) | 522 | 426 |
TUL(経尿道的尿管砕石術) | 182 | 185 | |
腎臓の手術 | 腎摘出術(鏡視下手術含む) | 12 | 11 |
尿管・膀胱の手術 | TUR-BT(経尿道的膀胱腫瘍切除術) | 107 | 95 |
膀胱全摘術 | 2 | 2 | |
前立腺・尿道の手術 | 前立腺全摘術 | 0 | 0 |
HoLEP(経尿道的レーザー核出術) | 62 | 61 | |
P-biopsy(前立腺生検) | 84 | 82 | |
尿失禁手術 | 45 | 38 | |
LSC(腹腔鏡下仙骨膣固定術) | 37 | 44 | |
TVM(骨盤臓器脱メッシュ手術) | 42 | 28 | |
前立腺がん放射線治療 | 40 | 31 |
主な病名
尿路結石症(にょうろけっせきしょう)
尿路結石は、腎臓、尿管、膀胱尿道などの尿路に結石が出来る疾患です。
泌尿器科の外来でみられる疾患の中では最も頻度の高い疾患のひとつで、原因としては食生活の欧米化によって、罹患率が上昇し、100人のうち5.4人が一生に一度かかるとされています。特に20代~50代の男性に多いとされます。症状は突然背中やお腹に激しい痛みが生じたり、血尿が出ることがあります。
尿路結石治療の流れについて(診察から検査~治療までの基本的な流れ)
① 最初に、受付で問診を取り、その後医師が診察を行い痛みや状態を確認します。
② 診断を行う為の検査を行います。
・採尿・・・尿に血液が混ざっているかどうか
・腹部レントゲン・・・腎臓~膀胱までに石があるか?どこに何個あるか確認する
・腹部超音波(エコー)検査・・・水腎症や石の有無(腹部レントゲンでわからない石もある)の確認
・結石と確定した場合に治療方針を決める時に腹部CTを取る事があります。(石の固さや形状や泌尿器系の状態など細かく確認するのに有用です。
③ 検査終了後、泌尿器科医師と患者さんと治療についてどうするか話し合って決定します。
主な治療選択には①体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(ESWL)や②経尿道的尿管砕石術(TUL)があり、場合によっては自然排石を待ったり、今は治療はしないという選択もあります。
治療方法


体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(ESWL)
ESWL治療は身体を切るなどの手術ではなく、衝撃波を用いた治療の為身体に負担が少なく多くは平日であれば当日の外来で日帰り手術として歩いて帰られる方がほとんどです。
結石治療機器にて対外から腎臓から膀胱までの結石を衝撃波で砕き、砂状や小さくなった結石は時間とともに尿として排出される治療です。
当院は石の箇所や少しでも割れやすい選択が出来る様に結石治療機器を二機種配置しています。治療の数は年によって変わりますが昨年度当院でのESWL治療は年間400件以上行い、約8割の方が一回の治療で終了しています。
また、石が大きい方や固い方、複数個ある方などは期間を空けたり、入院治療が必要な場合もまれにあります。
当院の結石治療機器

Lithotripter D(ドイツ製:ドルニエ社製)

ソノリス アイシス(フランス製:エダップテクノメド社製)
経尿道的尿路結石除去術(TUL)
治療方法
とても大きな結石や固い結石などESWL(体外衝撃波結石破砕術)では難しい結石を砕石・摘出する目的で行います。TULは麻酔をかけて、痛みを伴わない状態で尿道から「尿管鏡」という細い内視鏡を挿入し、直接モニターで結石を確認しながらレーザー砕石、または鉗子での摘出を行う治療法です。ESWLと比べ、TULの方が確実に砕石・摘出が可能ですが麻酔をかけ、入院が必要となります。

尿失禁(にょうしっきん)
女性の3〜4人に1人は経験するといわれている尿もれ。医学用語では尿失禁といいます。尿失禁には原因によって、いくつか種類があり、その治療法もそれぞれ異なります。
よくある尿失禁
切迫性尿失禁
突然尿意をもよおし、トイレに行くまで我慢できずに失禁してしまう病態で、自分の意志とは関係なく、膀胱が収縮してしまうこと(専門用語で「排尿筋過活動」といいます)が原因です。水仕事をしたり、家に着いたりといったことが引き金になりますが、トイレのことを考えただけで症状が出る人もいます。
治療は抗コリン剤という薬の内服が主体ですが、ライフスタイルの見直しや飲水調節、膀胱訓練(少しずつ尿を我慢して、ためるようにする訓練)も効果的です。
腹圧性尿失禁
強い腹圧がかかったときに失禁する状態で、骨盤底がゆるんで尿道が下がりやすくなっていたり(子宮脱や膀胱瘤に合併することも多いです)、尿道括約筋という尿の出口を締める筋肉に不具合があったりする場合に生じます。尿もれが出る動作は咳やくしゃみ、重いものを持ち上げる、走る、などです。たいていの患者さんがどんな時に尿がもれるか知っていて、失禁を予測できるのがこの病態の特徴です。 治療は、尿もれシート1枚で1日中もつ程度であれば抗コリン剤などの薬で良くなることもあります。しかし、子宮や膀胱が一緒に下垂している場合や立ち座りのたびにもれたりする場合は、膀胱や尿道を元の位置にもどして下がらないようにしてやることが治療の要であって、手術が必要となります。
混合性尿失禁
切迫性尿失禁と腹圧性尿失禁が混在する状態です。当院を受診される患者さんではこのタイプが一番多いですが、同じ混合性でも切迫性メインの人も腹圧性メインの人もあり、患者さんごとに最適な治療は異なります。
詳細に問診をとって、どのように治療を組み合わせていくか、判断します。
検査について
膀胱に細い鎖を入れて、レントゲンで撮影します。 膀胱と尿道の角度がわかり、骨盤底筋の状態や膀胱の位置を知ることができます。 この検査は腹圧性尿失禁に対する治療方針を決めるのに役立ちます。
治療方法
当院で主に行っている尿失禁根治術は、TVT-O(TOT)という手術です。英語からの直訳は「ピンと張っていないテープ」という意味です。膣壁を約2cm切開して、中部尿道にポリプロピレン製のメッシュテープを添えて、尿道の中ほどをハンモックのように支えてやります。このテープが急な腹圧時に尿道が下降するのを防ぎ、尿失禁を止めてくれるのです。もともとのTVTは恥骨の上あたりの腹部から尿道を吊り上げる術式なのですが、これだと一定の頻度で膀胱を傷つけてしまったり、まれには腸管を損傷してしまうこともあるため、より安全性の高い術式として閉鎖孔という骨盤骨の穴を通してテープをわたす方法が生まれました。これがTVT-O(Oは閉鎖孔の意味)で、現在広く行われるようになってきています。もちろん保険適応の手術で、TVT-O単独の入院期間は2泊3日、費用は3割負担の方で90,000円程度かかります。

前立腺肥大症(ぜんりつせんひだいしょう)
前立腺は膀胱の出口にあり、尿道を取り囲むように存在します。50歳を過ぎた頃から、加齢とともに多くの男性で前立腺の肥大がみられるようになります。前立腺が大きく肥大してくると、尿道を圧迫し、おしっこが出にくいなど、いろいろな排尿障害が生じてきます

前立腺肥大症の原因
前立腺肥大症の原因、発生機序については、すべてが解明されているわけではありませんが、アンドロゲン(男性ホルモン)と加齢が深く関与していることは明らかになっています。
前立腺肥大症の症状
個人差はありますが、排尿の後もまだ尿が残っている感じ(残尿感)、尿の回数が多い(頻尿)、尿が途中で途切れる、尿をがまんするのがつらい、尿の勢いが弱い、尿が出にくい、夜寝ている間に何度も排尿に起きる(夜間頻尿)などといった症状が出ます。これらの症状について総合的に判断できる国際前立腺症状スコア(IPSS)というものがあり、患者さん自身が点数で評価することも可能です。
前立腺肥大症の検査と治療
前立腺肥大症の診断には、通常、問診(IPSSなど)、直腸診、超音波検査、尿流測定(尿の勢いの検査)、残尿測定などの検査が行われます。
治療方針は、前立腺の大きさ、排尿症状の程度、残尿の程度、患者さんの年齢などを考慮して決定します。一般に、薬物療法と手術療法が主体です。
薬物療法には、交感神経α受容体遮断薬(αブロッカー)、抗男性ホルモン薬、植物製剤などがありますが、尿道抵抗を低下させて排尿症状を改善させるαブロッカーが第一選択とされています。
手術療法としては、前立腺手術(HoLEP)と経尿道的前立腺切除術(TUR-P)が標準的手術法であり、岡山中央病院でも1週間程度の入院で、年間約50例行っています。
手術療法
HOLEP:ホルミウムレーザーによる治療
内視鏡の先についたレーザーメスで肥大した前立腺腺腫を安全確実に切除していく手術です。これまで主流であった経尿道的前立腺切除術(TUR-P)よりも出血、術後の疼痛が少なく、安全に行うことができます。また100mlを超える前立腺に対しても施行可能であり、腺腫を確実に核出するという手術方法で、再発が少なくサイズに関係なく治療できるというメリットがあります。




悪性腫瘍(あくせいしゅよう)
前立腺を中心とした泌尿器科腫瘍の診断と外科治療、放射線治療、化学療法の集学的治療を得意分野としています。中でも、コンセプトである低侵襲治療として放射線治療には力を入れており、隣接の放射線がん治療センターの高精度放射線治療装置(Vero4DRT)は前立腺がんの治療に適した装置となります。
高精度放射線治療装置による前立腺がんへのIMRT(強度変調放射線治療)
IMRTは様々な形をしたがんに対してもビームを瞬時にがんの形に一致させ、ビームの強弱で正常組織に対しては被ばくを劇的に軽減し、がんのみに高線量を照射する方法で前立腺がんに適し、治療成績は手術に匹敵すると言われています。
患者さんへの負担が軽く外来通院治療が可能
装置自体が回転するため、患者さんを動かさずにあらゆる方向から様々かつ大切な臓器を避けた照射が可能であり、平均照射時間は1分以内、総治療時間も10~20分と短いため、人にやさしい装置です。さらに、切る治療ではないため入院の必要もなく、手術の適応が難しい状態にある患者さんにも広く治療の選択肢を提供します。

前立腺がん(ぜんりつせんがん)
前立腺がん(ぜんりつせんがん)とは
前立腺がんは、以前より欧米諸国では最も多いがんの一つでしたが、近年、日本でも、食生活の欧米化、検診の普及、社会の高齢化などにより、前立腺がんの患者さんが急増しています。
前立腺がんの原因
危険因子としてはいろいろなものが挙げられていますが、年齢、遺伝、内分泌・生殖活動、環境、職業、食事などが関連しているといわれています。
前立腺がんの症状
前立腺がんの発育は緩徐で、初期には無症状です。ある程度腫瘍が増大すると、排尿障害など、前立腺肥大症と同様の症状が出現することもありますが、例えば骨転移による痛みなど、病気がかなり進行してから発見されることが多かった疾患です。最近では、PSA(前立腺特異抗原)による検診が普及したことにより、早期発見されるケースが増えています。
前立腺がんの検査と治療
診断には、PSA、直腸診、MRI、超音波検査などが有用ですが、確定診断には前立腺生検(組織検査)が必要です。当院では、1~2泊の短期入院にて、年間約150例に生検を行っています。生検の結果、前立腺がんと診断された場合、CTや骨シンチグラフィーなど、全身の検査により病期診断(がんの進行度の確認)を行います。その後、年齢や合併症、病期などを考慮して、手術(前立腺全摘除術)、ホルモン療法、放射線療法などの治療方針を決定します。当院では、2~3週間の入院で、年間30~40例、前立腺全摘除術を施行しています。
膀胱がん(ぼうこうがん)
膀胱がんとは
膀胱とは、腎臓で作られた尿を一時的に貯蔵する袋のような役割を担う臓器で、表面は、移行上皮と呼ばれる伸縮性に富んだ上皮に覆われており、膀胱がんの多くは、この移行上皮のがん化によって起こると言われています。男女共に60歳以降に増加するがんで特に男性は、50歳以降になると、女性よりも3倍近い発症率を誇ると言われています。また、尿路がんと呼ばれる、腎盂、尿管、膀胱がんの3つの中で、最も高い70%の死亡率という特徴もあります。
膀胱がんの原因
膀胱がんの原因の多くは、はっきりと解明されていないのが現状ですが、ゴム工場で働いていた人や、アリニン系の色素を使う現場で働いていた人ほど、多く発症しているデータがあり化学物質が何らかの影響を与えているのではないかと言われています。 しかし現在では、発がん性が指摘されている色素や染料の製造は行われていません。その他膀胱がんの原因として考えられるのが、遺伝子の突然変異ですが、明確な原因は解明されていません。また、高齢になるほどかかりやすいという点から、加齢との関係性も指摘されています。さらに、煙草を吸っていると、煙草を吸わない人と比較して、およそ2~4倍の確率でかかりやすいという点から、煙草との関係性も指摘されています。 また、鎮痛剤に使用されているファナセチン、抗がん剤に使用されているシクロホスファミド、精神安定剤に使用されているクロルプロマジンといった発症リスクを高めているであろう物質も特定されつつあります。
膀胱がんの症状
主な症状の一つとしては血尿ですが、毎回血尿が出るというわけではありません。 血尿が出たり出なかったりといった繰り返しこそが、がんの進行のサインです。
しかし他の病気が原因でも引き起こされる症状ですので、きちんと検査を受ける事が大切でしょう。悪性度の高い膀胱がんの場合は、下腹部の痛みや排尿時の痛みを感じる事があります。
しかし、こうした痛みも膀胱炎と非常に似通っていると言われています。
その為、下腹部の痛みや排尿時の痛みを感じた場合も、検査を受けるようにして下さい。 がんが進行すると、尿が出にくくなったり、残尿感を感じるようになったり、尿の回数が増加するなどの排尿障害を起こします。さらにがんが進行すると、血尿が続くようになり、腎盂炎を引き起こす可能性があります。
腎盂炎は、腎盂と呼ばれる尿を集め尿管へと届ける器官に細菌が進入して、炎症を起こしてしまう病気です。
がんが尿管に転移すると、水腎症や尿毒症を発症する可能性があります。
水腎症は、尿の流れが妨げられて逆流する事によって、腎臓が尿によって膨張してしまう病気です。一方の尿毒症は、尿と共に排出されるはずの老廃物が正しく排出されず、血液中に溜まってしまう病気です。
さらに水腎症は、背中や腰の痛みを引き起こします。特に腰の痛みなどは、加齢によるものと考えがちなので、注意が必要ですまた、がんが後腹膜リンパ節や骨盤のリンパ節に転移すると、足の痛みや嘔吐、頭痛が起こります。
このように、比較的軽度な病気と似通った症状も表れるので、異変を感じたら専門医に足を運んで検査を行う事が大切です。
膀胱がんの検査
膀胱がんの検査方法は、主に3つあります。
まず、尿の中にがん細胞があるかどうかを調べる尿細胞診です。尿細胞診は、試験管に入れた尿を遠心分離機にかけて底に溜まった物質を顕微鏡で調べます。
しかし、膀胱がんは悪性度によって検出しやすさが変化するため結果に関しては必ずしも100%判断可能というわけではありません。
ただし、すぐに治療を施すべき悪性度の高いがんは、検出する事ができ経過観察においても非常に重要な役割を担っています。
悪性度の高いがんを見逃さないというメリットを考えると、非常に効率的な検査方法と言えます。
2つ目は画像検査で、超音波エコーやレントゲン、MRI、CTなどです。
画像検査のメリットは、膀胱がんの大きさや形状を知る事ができ、またどれだけがんが浸潤しているかもわかるだけでなく、リンパ節や肝臓、肺、骨盤といった臓器への転移の有無も見る事ができます。
3つ目の膀胱鏡検査は、膀胱がんにおける最も確実性の高い検査方法と言われており、尿道から内視鏡や硬性鏡、軟性ファイバースコープなどを挿入して、膀胱内を直接観察します。
膀胱鏡検査のメリットは、直接観察して腫瘍の有無を調べる事ができる点です。
また、組織サンプルを膀胱内からそのまま採取してくる事ができる器具もあり、採取した組織サンプルを顕微鏡で観察する事は、生検と呼ばれています。
膀胱がんの治療
膀胱がんの治療方法は大きく分類すると、外科的治療、膀胱内注入療法、放射線療法、化学療法の4つに分ける事ができます。
外科的治療は、経尿道的膀胱腫瘍切除術と膀胱全摘出術があります。
経尿道的膀胱腫瘍切除術は表在がんに用いられる術式で、当院では2012年度で89件施行しています。腰椎麻酔を行い、特殊な膀胱鏡で腫瘍を確認しながら電気メスによって組織を切除します。
しかし浸潤が進んでいる場合は、経尿道的膀胱腫瘍切除術では、完全にがんを取り切る事ができません。こうした場合には、膀胱全摘出術を行います。
全身麻酔を行って、骨盤内のリンパ節及び膀胱を摘出します。
男性の場合は、前立腺と精嚢、女性の場合は子宮も同時に摘出します。膀胱全摘出術を行うと、体内で尿を溜めておく袋がなくなる事となる為、尿路変更術も受ける必要があります。
膀胱尿道全摘出術 膀胱内注入療法は多数の乳頭状がんや上皮内がんがある場合に用いられる治療方法です。
膀胱内注入療法は週に一度のBCGや抗がん剤の注入を数回行うだけなので、入院は不要です。 外来で治療が行えるので、身体的負担及び経済的負担が少なくなりますが、浸潤が進んでいる場合は、あまり適していません。様々ながんの治療に用いられている放射線療法は、がん細胞を死滅させる効果があるので、膀胱がんの治療方法としても用いられています。放射線療法は、浸潤が進んでいるがんでも治療が行えます。その為、膀胱全摘出術ではなく、放射線療法や化学療法の併用によって、膀胱を温存するというケースも少なくはありません。当院でも適応を選んで積極的に放射線療法と化学療法の併用による膀胱温存治療を行っています。化学療法で使用される抗がん剤は、シスプラチンとゲムシタビンの併用療法が多く用いられます。


アクセス
所在地岡山県岡山市北区伊島北町6−3
