社会医療法人 鴻仁会 岡山中央病院

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透析の質

透析の質

シャント管理の徹底

シャント管理
透析を行う上でシャントは必須で患者さんにとって、なくてはならないものです。
当院ではそのシャントをいつまでも良好に管理できることを第一に考えており、そのために様々の取り組みを行っております。
・シャントエコー
当院では患者さんのシャントの状態をエコーで定期的に検査させていただいております。シャントは閉塞してしまうと透析ができなくなってしまい、命に関わります。そのため、閉塞する前にシャントPTAなどの対応ができるように当院では定期的に臨床検査技師がシャントエコーを行い、細くなっているところなどがないか確認して、閉塞の予防に取り組んでおります。また、患者さんに穿刺を行っている臨床工学技士もシャントエコーを行っており、よりこまめに血管の状態を確認できる体制を作っております。
穿刺が難しい血管に対しては、エコーで血管を見ながら針を刺す「エコー下穿刺」を行っております。
・シャントPTA
シャントエコーにて流れが悪くなっている、血管が細くなっているなどが判明したら、シャントPTAを行い血管を拡張させることで、シャントを良好な状態にすることができます。当院ではシャントPTAを行っており、必要になれば速やかに対応できます。

患者様の身体に合った治療方法

透析治療は、生活の質(QOL)の高い長期生存を目的とし、当院では患者さん個々にあった治療方法を提供します。透析治療には様々な種類があります。患者さんによって、年齢や体格、栄養状態などが異なり、また、透析不足になると患者さんのQOLを低下させるうつ、不眠、掻痒感などの症状が現れる可能性があります。これらを踏まえ、患者さんのお話を聞きながら、医師を中心としたチームで検討し、最適な治療方法を決定します。

〇血液透析(HD)
血液透析(HD)は、腎臓の代わりとなるダイアライザに血液を通し、老廃物や水分を除去して、体内に血液を戻す治療方法です。HDは、主に小分子(尿素、クレアチニン、カリウム、リン)の除去を行います。

〇血液透析濾過(HDF)
血液透析濾過(HDF)は、HDに濾過を付け加えたもので、近年普及してきている治療方法です。HDに比べ広領域の物質を効率的に除去できます。掻痒症、肩関節痛、レストレスレックス症候群(むずむず脚症候群)などの症状は、β₂-MGやα₁-MGなどの中分子~大分子領域の物質を除去することで改善が期待されます。これらの治療には、より大きな分子が除去されるHDFを選択します。当院では、ヘモダイアフィルタに流れる透析液の一部を置換液として使用するオンラインHDFを行っており、2023年10月現在約99%の患者さんがオンラインHDFを選択されています。

その他の血液浄化方法
〇血漿交換方法(単純血漿交換療法(PE)・二重濾過血漿交換療法(DFPP))
血漿交換療法とは体外に血液を取り出し、その血液(血漿)から病因物質を除去し、体内に戻す治療方法です。患者さんの病態に合せて治療方法を決定します。
単純血漿交換療法(PE):血液から血漿成分だけを分離し、その血漿は全て廃棄し、代わりに置換液(アルブミン製剤など)で補充する治療方法です。
二重濾過血漿交換療法(DFPP):血液から血漿成分だけを分離し、病因物質が含まれる血漿と病因物質が含まれない血漿に分離して、病因物質が含まれる血漿を廃棄し、破棄した血漿を置換液(アルブミン製剤)で補充する治療方法です。
〇腹水濾過濃縮再静注法(CART)
薬物などで改善できない難治性の腹水に対して行う治療方法です。腹水から細菌やがん細胞を取り除き、アルブミンなどの有用成分を濃縮した腹水を点滴で身体に戻します。
〇吸着型血液浄化器(レオカーナ)
下肢閉塞性動脈疾患(LEAD)の中でも、虚血による安静時痛や下肢潰瘍、壊死が少なくとも2週間以上改善せず持続するものを包括的高度慢性下肢虚血(CLTI)と呼びます。CLTIの治療方法の一つにレオカーナと呼ばれるものがあり、血液中のLDL及びフィブリノーゲンを吸着することにより末梢循環の改善を導き難治性潰瘍を治療します。        

水にこだわった身体に優しい透析

当院の水へのこだわり~ultra pureへの妥協しない取り組み~

透析を行うためには大量の水が必要です。その水がきれいであればあるほど、患者さんにとって良い治療を行うことができます。
患者さんの透析に使われる水をきれいにするために当院では様々な取り組みを行っております。

最新の機械

水をきれいにするための装置を当院では最新の物を用いております。以前は水をきれいにするためのフィルターは一種類しか搭載していないことが多かったのですが、当院では装置に複数のフィルターを搭載し、また患者さんの治療を行う個別の機械にもフィルターが搭載されており、患者さんにきれいな水で透析をできることにこだわっております。

臨床工学技士による水質管理

透析で使われる液の濃度が正常であるか、毎日臨床工学技士が測定しております。また透析液に菌が入っていないかどうかの検査を院内で定期的に行っております。
透析で使われる水は患者さんの体内に入ります。透析で使う水に菌が残っていると、患者さんの体に入ってしまい、体内で炎症を起こしたり、合併症を起こしたりする事があります。そのため当院では患者さんに合併症を起こすことなく、いつまでも元気に透析を続けられるよう、ultra pureと呼ばれるレベルまで水の清浄化を行っております。

最新の機器、メンテナンス

最新の患者監視装置を導入し、各患者さんに合わせた多種多様の治療法を行っています。
透析治療で使用する多くの医療機器は、数多くの専門知識を有した臨床工学技士が日々保守点検を行っており、万一の機器トラブル時にも迅速な対処が行えております。これによって安全な透析治療を提供することが可能となっています。当院では最新の医療機器を導入し、長期にわたる透析治療によって起こりうる様々な合併症を予防し、患者さんにも安心して透析の時間を過ごしていただくことができています。